satymale’s diary

日々の忘備録

行動分析学で犬の躾け

今までに読んだ本で非常に応用が利くなと感じる行動分析学入門。

行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書)

行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書)

妻の実家のわがまま犬の躾けに、利用してみました。

犬の問題行動の仕組みを把握する

行動分析学の詳細は上記の本を読んで頂くと良いのですが、凄く簡略して説明すると、行動随伴性といって行動を起こした60秒以内に生じた事象によって、行動が強化されるか弱化されるかが決まるというものです。行動の結果、物が「ない」状態から「ある」状態になったり、「ある」状態から「ない」状態になるなど変化が起きると行動に影響します。そしてその変化が好ましいものであれば強化、好ましくないものであれば弱化します。一方「ない」状態から「ない」状態、「ある」状態から「ある」状態など、変化が起きない場合は行動は弱化します。例えば、朝挨拶をしても返事をしない人には、そのうち挨拶をしなくなります。

上記の事から犬の問題行動は、 次のような行動随伴性によって強化されているのではないかと考えられました。

現状の行動
犬の行動 人間の行動 犬の行動随伴性
物を取る タオルを返して貰うためにお菓子を与える お菓子が「ない」→「ある」
吠える 機嫌を取るために撫でる 構って「もらえない」→「もらえる」
(散歩に連れて行くために首輪をつけようとすると)吠える それでも首輪をつけて散歩に連れて行く 散歩に「行けない」→「行ける」

行動を改善させる

行動分析学によれば、行動を弱化させるためには犬の行動によって状態が変わらない、犬に取って好ましいことが発生しない、嫌な事が発生すれば良いので、人間の取る行動を変えて行動随伴性を変えます。

改善のための行動
犬の行動 人間の行動 犬の行動随伴性
物を取る 無視する お菓子が「ない」→「ない」
吠える 無視する 構って「もらえない」→「もらえない」
(散歩に連れて行くために首輪をつけようとすると)吠える 首輪をつけるのをやめる 散歩に「行けない」→「行けない」

結果

行動分析学は、実験と検証によって行動随伴性を確かめ改善のための方針を考えます。 厳密には変更前の随伴性と変更後の随伴性を交互に繰り返し、データを収集して他の要因によって行動が変化していない事を検証するとの事ですが、今回はそこまで厳密さは求めていないので、変更後の随伴性のみで試しています。 また実験結果のデータも記録していないので、他の要因も可能性としてはありますが、改善のための行動に変えてから、ワンワン吠える頻度は明らかに減りました。

子供の頃から犬が天国に行くまで、私も犬を飼っていましたが、犬の躾けはアメとムチ的なものをぼんやりと意識して行っていましたが、行動分析学の物の捉え方を知って、そういう仕組みなのかと納得しました。

ちなみに我が家では朝・夜のお茶碗洗いは私の仕事です。洗うと必ず妻は「洗ってくれてありがとう!とても助かる!○○君が夫で幸せ!」と褒めることで、私のお茶碗洗いの行動を日々強化しております。